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新型コロナウイルス感染症のパンデミックでは、多くの人が外出を控えたり自宅で勤務したりするといったライフスタイルの変化を経験しました。以前の研究により、「飼い主が家で過ごす時間が長くなったおかげでペットの幸福度が向上した可能性がある」ことが分かっていますが、新しい研究により「ペットの存在もまたパンデミックに直面した飼い主の精神的な健康の維持に大きく寄与していた」ことが確かめられました。
パンデミックによりアメリカが大きな被害を受けたことで、アメリカに住む人々は感染拡大を防ぐためのロックダウンや失業といった大きな生活の変化を経験しました。こうした影響は特に心理面に多大な負荷をかけ、その結果「アメリカ人の3分の1がうつ病や不安障害になった」と報告されています。
そこで、ペットフードメーカー・ネスレピュリナリサーチの科学者であるフランシス・マーティン氏らの研究チームは、新型コロナウイルス感染症のパンデミックに直面した際のメンタルヘルスへの影響が、犬を飼っている人とそうでない人とでどう違うかを調べる研究を行いました。
調査は、2020年11月9日~24日と2021年2月18日~22日の2回に分けて実施されたオンラインアンケートに参加した、犬の飼い主768人と将来犬を飼う予定があるがまだ飼っていない人767人の合計1535人を対象として行われました。また、参加者の心理状態は6種類の分析手法により測定された「うつ病の傾向」「不安症の兆候」「幸福度」「ソーシャルサポートの認識」の4点で評価されました。
この調査の結果、犬を飼っている人は犬を飼っていない人に比べてうつ病の傾向を示すスコアが低い一方で、ソーシャルサポートの認識は有意に高いことが確かめられました。
一方、不安症や幸福度については両グループ全体の間に有意な差はありませんでしたが、ソーシャルサポートの認識のスコアを「低・中・高」の三段階に分けてそれぞれ分析したところ、ソーシャルサポートのスコアが「低・中」だった場合では犬の飼い主の方が犬を飼っていない人より不安感が少なく、また同様に「低・中」では犬の飼い主の方が幸福度が高いという結果になりました。つまり、犬を飼っているかどうかは既に社会的なつながりが十分な人の不安感や幸福感に直接影響しませんが、社会的なつながりが弱い人の不安を和らげたり幸福度を改善したりする上では重要な意味を持つ可能性があります。
この結果について、マーティン氏は「今回の研究は、犬が人に社会的なサポートを与えたり、落ち込むのを防いだりすることで、困難に直面した飼い主の幸せにポジティブな影響を与える可能性を示唆しています。愛犬家の自分としては、『犬は人の幸福にプラスだ』と言ってしまってもいいぐらいだと思います」とコメントしました。
参照: https://gigazine.net/news/20220116-dogs-owners-pandemic-happiness/
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