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寒々と陰鬱(いんうつ)に垂れ込める雲。吹き付ける北風に凍える。日は足早に暮れ、長く冷たい夜。朝はぐずぐずと明けない。ようやく起きても、やる気が出ない。いらいらする。ずっと眠い-。日光に当たらないことで心身に変調を来す季節性感情障害「冬季うつ病」。コロナ禍で「巣ごもり生活」が続く人も要注意だ。症状や対処法を精神科医の加藤隆弘・九州大大学院准教授に聞いた。 (梅本邦明)
【画像】冬季うつ病の予防方法4つ
-どのような症状か。やる気出ない、ずっと眠い…「冬季うつ病」かも? 医師に聞く予防法4つ
加藤隆弘氏
私が診察した福岡県に住む30代の主婦はその数年前から、冬になると朝なかなか起きられず、無気力な状態が続くと訴えた。無性にいらいらして家族ともけんかばかり。一方で食べ過ぎてしまい、夏より体重が約5キロ増えたという。冬季うつ病の原因は日光の不足だ。日光を浴びる時間が少ないと、ストレスを緩和して気分を良くする脳内伝達物質のセロトニンの生成が滞り、無気力になったり、いらいらが募ったりする。また、眠りを誘う脳内ホルモンのメラトニンの分泌が止まらなくなるため、体が眠ったような状態が続いてしまう。
-一般的なうつ病とどう違うか。いら立ちや意欲減退、物事を楽しめなくなるのは共通している。冬季うつ病はそれに加えて、過眠や甘い食べ物を欲して過食になるのが特徴だ。20~30代の女性に多いとされるが、詳しい理由は分からない。
治療や対処法としては、日光を意識的に浴びることが大切だ。朝はカーテンを開け、特に晴れた日は外に出て散歩する。抗うつ薬を処方することもある。
-どうすれば予防できるか。一定量の光を浴びることが必要だが、学校や職場の照明では照度が不十分なので、屋外に出ることが重要になる。昼食は外に出たり、通勤通学のバスや電車はいつもより手前で降りたりして、意識して歩こう。
朝起きるのが苦手な人は、起床時刻に合わせて照明を徐々に明るくするタイプの目覚まし時計がお勧めだ。食事はセロトニンの原料となる必須アミノ酸のトリプトファンを多く含むバナナや牛乳、肉、魚を摂取してほしい。軽い運動で体を動かすことも効果的だ
-コロナ禍で「おうち時間」が増えた。影響は?
冬でなくても、テレワークやオンライン授業などで屋内にこもってばかりだと、冬季うつ病のような症状に陥る恐れがある。
季節性の冬季うつ病は基本的には春になって日照時間が増えると自然に治まる。だが抑うつ状態が1カ月以上解消されず、遅刻が続いたり、いらいらすることで人間関係が悪化したりして日常生活に支障が出る場合は、早めに受診してほしい。
-周囲はどう支援すればいいか。冬季うつ病のような症状の人がいても「あなたうつ病じゃない?」「病院に行きなさい」などと病気と決めつけたり、責めたりするような言い方はやめよう。まず「最近眠れてる?」「疲れがたまっているんじゃないの?」と優しく声を掛けて話を聞く。そして「冬場は誰でもうつの症状が表れやすい」と適切な情報を伝えてあげよう。
参照: https://news.yahoo.co.jp/articles/b24e06a7d4bd06f6e567832b6f6e3a8c59cc5bab?page=1
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