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移ろい(詩)

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  • このトピックには0件の返信、1人の参加者があり、最後にみんあにより1年、 10ヶ月前に更新されました。
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    • #49962 返信
      みんあ
      参加者

      君はまた姿を変えた

      花びらかと思えば、君は夕立で、
      紅葉かと思えば、君は雪だった

      春、君は一陣の風で舞い、僕の手のひらへやってくると、寄り添っていてくれた
      どこへも行かないように握りしめようとした寸前、風はまた君を運んでしまった

      夏、街の人々は傘なんか差しているけれど、僕は全身で君を受け入れる
      君は僕の心を洗うだけ洗うと、さっとどこかへと流れてしまって、太陽が同情するように顔を覗かせてきた

      秋、静かに色づいた君に僕は見惚れ、時間も忘れて夜まで見つめていた
      君が枯れ落ちてしまうまでそこに居たかったが、すっかり冷たくなった風が吹き荒び、僕を追い立てた

      冬、寒空の下で凍えていると、どこか暖かな雰囲気さえ纏った君が僕の肩の上に舞い降りた
      今度こそと手で君を覆うと、いつの間にか君は消え、涙にも似た雫だけが残っていた

      また、季節が移ろう

      一体何度、君を季節に重ねただろう
      そこに君はいないと、わかっているのに
      忘れることも、抜け出すこともできないこの輪廻
      僕を追い越し、遠のいていくその背中に
      なんと言えば良かったのだろう

      見上げるとまた、君は移ろっていた

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